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2007年9月10日 (月)

「生きる」に生かされていると感じる

Ine

「い〜のぉちみじかし〜恋せよーおとめ〜。」
黒澤明監督の「生きる」がテレビドラマになりました。
物語の半分以上がお葬式のシーン。おもたいテーマですが、役場の職員にはバイブルのような存在かとおもいます。(バイブルにして下さい。)


テレビ版の方は主人公の松本幸四郎氏でしたが、なんか格好良すぎって感じがしてしまった。あまりにも志村喬氏の印象が強すぎたのか、ヤクザにからまれたシーンの形相が頭からはなれずテレビ版を物語として客観的に視ることが出来なかった。
警官役のラサール石井氏(劇中かなり重要な役)が頑張ってるんだけど、両津にしか見えなかったってのも残念。
松本氏は松本氏の役者としてのポリシーが感じられ、役者松本の生きるを演じられたんだと思います。やはりその昔黒沢バージョンを何度も視たのと同じ様にテレビ版もくりかえし視ないとその良さを味わい深いものに出来ないんだと思う。

せいいっぱい生きていた人を考える時思い出されるのが女優の塩沢ときさんです。
東京で花やの修行時代、塩沢さんへ花の配達をした。どうしてもお宅が分からずご近所の方に訪ねたところいきなり「おばちゃーん、いる?。」と大きな声で呼んだ。すると「はぁ〜い。!」と当時でも珍しい古い家屋の窓から顔をのぞかせた。
呆気にとられた自分にご近所の方が「ほらね。」と言いながら笑いながら去ってゆく。慌てて御礼を言った後、塩沢さんが、あの大きな目をこちらに向けて「あの、なにか?」と言ってこられた。
お花が届いている事を知らせ、お渡しした後に塩沢さんが「まぁ、それはそれはどーも有り難うございます。」と深々と頭を下げ御礼とねぎらいの言葉を下さった。何度も。
ただの配達人の自分にあそこまで丁寧にして下さる塩沢さんの人柄がご近所の人からも伝わってくる。その後、何度となくお見舞いのお花を塩沢さんに届けに行く事になるんだけど、その度に深々と頭を下げてねぎらいの言葉を頂いた。
頑張って下さい。その言葉以外自分の中では見つからなかった。
当時通っていた、経堂にある「あさひや」さんに塩沢さんの色紙があった。お酒はあまり飲まれなかった様ですが、あのお店の宿り木でもっともっとお話したかった。
今年2007年5月塩沢さんはこちらの世界より御卒業されていった。

「生きる」を見る度に自分も何かの為に、家族の為、友の為、来店してくれるお客さんの為に貢献しなきゃならないんだなぁと思い知らされる。
今のところ、奥さんに貢献できていないのが痛いっす。

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